北海道へ行き、写真を撮ること 2  Promised Land

結局北海道では猫を一匹も見つけられなかった。



さて。昨日の続きです。
式が終わりますと次は当然披露宴という運びになりますね。
というわけで、地下一階のレストランへ一足先にカメラバッグごと移動。
会場を見てびっくり。
両側の壁が、ほぼ前面鏡張り(^^;
下手にバウンスすると、鏡の中がカッと光ってカメラの居場所モロバレ(笑)


お席に着くと本日のメニューに添えて、なんとゲストの一人一人宛てで新郎新婦の写真つきメッセージカードが!
コレ準備するだけでも恐ろしく大変だったろうと思うのですよ……。
そりゃあ〜嫌が応でも気合ん入るバイっ。


メニューといえば、僕が犯した失敗の一つは、あまりにも美味しそうな料理なので撮らずに食べてしまったものがあったことです(笑)
こんな感じ。
甲殻類のムース/ハーブの香りのガンバス海老のコンフィーと共にスモークサーモンのタルタル仕立て/とうもろこしのムースとポップコーンパウダー
真鯛カルパッチョ プロヴァンス風に爽やかなフヌイユのクリーム添え…
帆立貝のポワレとアスパラ パセリ風味のムースリーヌ添えで。
やわらかく煮込んだ牛肉とフォアグラのお包み 薫り高い赤ワインソース…
その他デザートetc..


ね?
凄いです。
ディナーがハイレベルすぎっ。
生の魚は桜のスモーク当ててあったりするんですよ!
煮込みのお肉はトロットロに舌の上で広がっていくし。
もちろんカメラマンである前に1ゲストとして(逆だ逆!)出されたお料理は全部きっちり頂きました♪
ただし、アルコールはこの段階では呑めないと自らを戒めて(笑)スパークリングはパスしてアイスティ。


ウィットに富んだゲストの祝辞に、余興は新郎の習い事の先生方から生演奏!
もちろんカメラマンは休む間もなくパシャパシャ。
実はこっそりちょっとずつ休んでいたことはここだけの秘密で……。
そしてスライドショーの時間へ、とその前に、「あの写真」のスライドが。
そう、リングストロボのあのアレですよ。
で、なんと司会者さんがメッセージを全朗読!
ネタがわかるりくままさんと自分は笑ってましたが、おそらくほとんどのゲストはどこが笑いどころなのかわかっていなかったことでしょう…(爆
司会の方、とっても読みづらそうでした♪
スライドショーでは新郎新婦の生い立ちプラス自己紹介のようなテイストで、自分のブログ写真も5カットほど使っていただきました。
この猫の写真が好評で、後からお声をかけて頂いたりして。
しかし、新婦のスライドショーが、新郎の3倍は長かったと思われる……(笑)
いろいろな活動にパワフルに挑んでいらっしゃるのが伝わって、りくままさんと二人で感心していました。


そして各卓集合が。
これも目線を貰うわけにはいかないカットです。
式場カメさんが最優先なのですよ、こういうところは。
前の記事でも書きましたが、全く同じカットが2冊のアルバムに入ってなくてはならないわけはないのです。
もちろん自分ひとりで入ってる場合は絶対に撮りますけど。
コレ(各卓集合)も大変なんですよ、スナップのメニューだとオプション料金とるところもあるカメラマン泣かせなカットです。
目つぶりの危険性は高いし、顔がかぶっていたりすることもあればテーブルの上が見苦しいこともあり、かなりの集中力が必要なんです。
そもそもお席にゲストが揃ってないなんてことも多々(汗
どのテーブルでもお二人は本当に楽しそうで、「自分たちにとって大事な人を招きました」って言葉が実感できました。
今回スタッフさんたちの動きも素晴らしく、高い水準でのサービス提供を一人一人が目指していることが伝わってきましたね。
専門の式場のスタッフというのは自分のが何をしなくてはいけないかわかっていて無駄がないんです。
それでいて、心遣いができる……ブライダル業界って辛い部分も多いですが、人間的に磨かれる場なんじゃないかな、って思います。


締めにはご両親への花束贈呈。
きっとお慶びだったことでしょう。
謝辞を述べた後、ご両家は送賓のために一足先に退場されます。
二次会から僕だけで撮れることがわかってたので、単の準備をしつつ送賓撮り。
これも狭いスペースに3台カメラが入ってるものだから大変なことになってましたが(笑)


そして、挙式と同じ部屋でアフターパーティー
皆様ご歓談の間、なにやら新郎さん新婦さんがなかなか来ない……?
お直し分の撮影でもあったのかな?と僕は疑ってましたが(笑)
そうして、二次会への新郎新婦入場のシーンが今回ブログで使ったカットになります。
挙式も宴も入場は内側から撮ったから、二次会は自由にいきたかった、それが図らずもブログ用カットにピシャリ決まりました。
新婦のお衣装、ちょっとだけ変わってたんですが、僕はこっちが好きですね。
最初からこれでも良かったじゃーん、って心の中で言ったとか言わないとか。
で…二次会はビデオも回ってない!
カメラマンも僕一人!
ってことで調子に乗って35mmで通し撮影。
これでも昔はフルサイズ50mmで通し撮影経験もあり……サブカメですけど(^^;
光に苦しんだのが嘘のように明るい。コレコレ、この感じ!(笑)
でも広角が要るところはあったかな、後から思えば(汗
既に3時からシャッター切り続けての九時。
だが、披露宴が終わったことでナチュラルハイになった僕は、りくままさんの誘惑のままにアルコール解禁、ジントニックなぞ飲んでいました(笑)
それにしても、りくままさん、そして旦那さんがいい人過ぎて眩しかったです。
お二人とも僕なんかよりずっと好人物ですよ、絶対に。
かなりイングリッシュでどこかデンタルな雰囲気が漂う二次会でしたが(笑)皆様楽しそうでなによりでした。
各テーブルから一言ずつ祝福を頂戴し(ちなみに僕のテーブルの代表はりくままさん)
ここでも新郎、新婦様から一言ずつ……って、マキマキさん絶対に一言じゃなかった(笑)
おそらくプレゼン&レクチャー&スピーチ術を極めていらっしゃるらしく、スライドショー同様に独擅場となってました(爆)
僕も幾分リラックスしておつまみを品定めしたり、会話を楽しめまして。
そういえば自分は新郎さん&お嫁さんとあまりしゃべってなかったかな。
きっと写真がこれからずっと、僕の代わりにトークしてくれるのではないでしょうか。
そんな楽しい時間も永遠ではなく……お見送りの時間になりました。
ここでやっと目線が来てる記念撮影に!
ゲストの笑顔が、結婚式の成功を雄弁に物語ってますね。
最後にご挨拶と、1カットだけ僕用にポーズ写真を頂きました。
お疲れでしょうに最高の笑顔で応えてくださいましたよ。


ここまでで撮影記は終了です。
ここからは旅行記。3次会のおはなし。
さあ、重役を終えて(果たせたかどうかはまだ定かでない)羽を伸ばしたい僕ですが、札幌の楽しみ方を知らない。
手を差し伸べてくださったのはりくままさんご夫妻でした。
もう北海道に足を向けて寝られないくらいお世話になったものですから、僕は今北枕で寝ています(笑)


風雨の中を薄野へ移動。
要するに博多で言うところの中洲なのだな、と把握。
裏路地から地下一階へ下った、海鮮系の呑み屋さんで打ち上げ♪
お通しには良く浸みたがんも。
アドバイスにしたがってオーダーしたのは厚岸の生牡蠣、イクラ丼、イカゴロルイベ(初めて食べました)それにラーメンサラダ。
イカのルイベ、とっても美味しかったです。
飲み物は生をすっとばしてはなから日本酒スタート(笑)
最初に頼んだのは道産の「熊ころり」
辛口系でさっぱりしててすいすい呑めちゃう☆
また海鮮系のおつまみと抜群に相性がいいんだコレが。
飲み屋では芋焼酎以外ほとんど呑まない僕ですが、日本酒を見直しちゃいました。
ちびちび呑るお酒ではないです、これはすいすい系です(謎)


二番バッターはなんと熊笹焼酎!「摩周湖」ロック。
これまたすっきり、さっぱり、笹の香りが格調高く、これが焼酎なら芋焼酎は別のお酒だね、と一人ショックを受けていました。
あまりにも口当たりが良く飲みやすいので、度を越さないように注意かな?


話せば話すほどりくままさんご夫妻はいい人なんです。
「いい人」以外にあまり形容詞が見つからない……いい人。
会話の端々から、自然体で生きてらっしゃるのが伝わってきます。
聞き上手でいらっしゃるし、ちょっと憧れちゃいますねえ。
根が狭量なもので、お二人のような包容力のある人になりたいが、僕の性格では厳しいかなあ。
ちなみに、今年ホークスはどうもよろしくない、という点では意見が一致を見ました(笑)
さらに味噌ラーメンの名店に関して直々の講義も受けました。


トリにでて来たのは同じく地元のお酒「国稀 鬼ころし
熊ころりやら鬼ころしやら、恐ろしい名前のお酒ばかり飲んで大丈夫かしらん?
ころりとヤられるのじゃないだろうか(笑)
この鬼ころしもべったりした甘みなど皆無の呑みやすいお酒で、なぜかいつの間にかコップの中から消えていました♪
それにしても、お酒もイカも牡蠣も、北海の育むものは皆さっぱりすっきりしているんですねえ。
この辺を比べると、九州はちょっと濃くくどく感じられるのかもしれないな。
しかしながら玄界灘ももちろん魚介の味では甲乙つけがたい旨味の深い海ですから、是非皆様一度はどうぞ。
我田引水なようですが、対馬海流の恵みは凄いですよ♪


お食事をご馳走になったうえになんとホテルまで徒歩、お送りいただき心は感涙物でした。
一期一会という言葉はこういう席に使うものですね。
でも次回、九州にいらっしゃった際はおもてなししますから、心してお出でください(笑)


チェックインの後、いろいろ考え事をしているとなかなか寝付けず、朝は3時半ごろ、既に空が明るいことに気づく。
いくら北側で東側とはいえ、そんなに早く明るくなるものなんですねえ。
驚いて布団にもぐりこむ(朝気づいたら実はシーツの下にもぐりこんでいた(爆)
二度寝を交えて目が覚めたのは九時半。
よくあるホテルのバイキングへ向かう。
ロールパンにパンケーキにオレンジジュースにウインナーとサラダとベーコンエッグ、だったかな。
とても写真を撮るような気分ではなく、カメラバッグには手をつけないままチェックアウト。
このときCF2枚は既にほぼ満タン、大事なデータが入ったCFにはもうなるべく通電したくない。
結論から言うともう一枚CF要りましたよって話ですね。
4GBくらいのを買っておこうかな?


ススキノの小洒落た地下街を歩き、地下鉄を使って札幌駅周辺へ。
カツゲンを手に持ってレンガ庁舎あたりをぶらぶらしている不審なスーツの男を見かけた皆さん、それは僕です(笑)
スズメやハトがかなり餌をせびりに来ましたが何もあげられませんでした。
小鳥に懐かれたのって多分人生初かも知れない。
それにしても凄いのは、公道を馬車が走っている(笑)


来たのと同じ快速エアポートで新千歳へ。
普通に白樺が生えている風景って違和感があったりして。
線路脇には札幌から新千歳までびっしりとフキノトウが。
北海道の皆さん、食べないんですかね。
それにしてもお洒落でスポーティな自転車に乗ってる人が多い。
もちろん福岡にもそういう自転車は多いのだけれど、こんな風に楽しみ方を知っている人が多いかと問われると少し疑問だ。
各駅ごとに跨線橋と長いホームがあり、僕は新海さんの映画「雲の向こう 約束の場所」を思い出していた。
そう、僕は雲を越えて、あの約束の大地に降りたっていたのだった。
忙しすぎて自覚していなかったが…(笑)
おそらく、僕がここに自らの旅行のために行くことは、もうしばらくの間はないことでしょう。
それでも自分自身に対して僕は一つの誓いを立てています。
絶対に、バイクでこの大地を走る。
そこは、約束の地。




空港でお土産を物色していると時間は既にあまりない。
急いでラーメン街へ。
ゆで卵を二個食べたころにそのラーメンは出てきた。
白樺山荘:バタコン味噌。
人生の記憶に残しておくべき味でした。
普段豚骨以外食べないからねー(汗


保安検査場まで走り、そこから搭乗口へ。
既に搭乗は始まっている。ギリギリセーフ?
来るときとは違って中央列の席、疲れがピークに達した僕はずっと寝てました。
福岡空港へは5時過ぎに到着。
帰りの電車の車窓から見えた夕日は、僕がこれまで見てきた中でも一、二を争う美しさでした。
丸い陽が玄界灘へ没するころ、無事に家へ到着。
そして死亡(爆


今日も記事が長い……これで北海道旅行記を終わります。
マキマキさんご夫妻に心からの祝福を。
りくままさんご夫婦には魂をこめた感謝を。


皆様、お疲れ様でした。 本当に、ありがとうございました。