本の紹介

版権絵を描き始めたらキャラだけ上がって背景マダー?のOWATAです今晩は。

今日は借りてきた図書の一部を紹介したく思う。
といっても昨日の通り、先回ほど勧められる本があるわけではない。
それというのも、それほど入念には本を選べなかったというのがあって――、借りる本にあらかじめざっと目を通すのが常なのだが、今回はそうでもない。
本の興味深さというのは選んだ時間に比例するわけでもあるまいが、今回はより即物的な本のチョイスなのではないかと考えている。
言い訳も真面目に書けば数行になるものだ。
そろそろ本を紹介してもいいだろう。

図説 アール・ヌーヴォー建築 華麗なる世紀末

河出書房新社の刊になる。
内容は題の通り、アール・ヌーヴォーの建築物の写真と解説である。
アール・ヌーヴォーは自分のもっとも好む文化のひとつで、ゴシックライクだがより洗練されている。
流麗で美しい意匠には人を魅了するものがあり、世紀末の繚乱を彷彿とさせる。
モノクロの写真にさえ、明度の制御とデザインを学ぶに足るものがある。
解説も時に微細に入って理解しやすい。
各国の流行の表出のさまが国別に紹介されている。

漢詩をよむ 李白 一〇〇選

NHK出版である。
内容は記すに及ぶまい。
漢詩は自分の好んで観賞するところだが、特に李白の作風に感じるところ多きを感じて借りてきた。
名詩が多い人である。最も好むものを軽く記しただけでも「蛾眉山月歌」「早発白帝城」「静夜思」「月下独酌」「独坐敬亭山」と並ぶ。もちろん世に知られた名詩はこれ以外にもあるのだが。
報われざる才人である。
ひとつ紹介しておこう。


日は香炉を照らして紫烟を生ず
遥かに観る 瀑布の長川を挂くるを
飛流直下 三千尺
疑うらくは是れ 銀河の九天より落つるかと


七言絶句で、望廬山瀑布の二首目である。
自分は読書を能くするが、この人のスケールと美しさのレベルを出る文を他に知らない。

フォトマジックブック

株式会社PARCO出版
写真の技法本であるが、作例が非常に良い。
正直この本があれば、元旦投下の自分のブーン系は必要ないくらい。
※正月の投下……http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1250934033/408-721

対訳 ポー詩集

岩波文庫で英文対訳である。
ポーというと短編恐怖小説の人という印象を抱きがちだが、彼はまた天下の詩人でもある。
一番有名な詩は「大鴉」に間違いない。
英文対訳なのが何と言っても一番である。
最近、自分の好みがゲーテ/ノヴァーリスの浪漫主義から、ポー/ランボオの側へ移ってきているような気がするのだが…………Nevermore!

ラヴクラフト全集1

創元推理文庫から全5集の1。クトゥルー神話の生みの親であるラヴクラフトの作から「インスマウスの陰」「壁の中の鼠」「死体安置所にて」「闇に囁くもの」を収めている。
さまざまな人々がラヴクラフトにインスピレイションを受けてきたところから、愚凡非才の身にもおこぼれにあずかれぬものかと思ったのだが、結局楽しんで読んでしまった。
これだから恐怖小説という奴は面白くて困る。
背後のクトゥルー体系も秀逸。
しかし残念ながら人工の神話然としてはいる。
とりあえず描写のスタイルの引き出しが増えた。
いささか使い勝手が悪いが。

喪男の哲学史

講談社/本田透 だが、はっきり言おう。
この本の著者は嫌いである。彼の思想はもっと嫌っている。
ただし人間を嫌いなことと、その創作を嫌うこととは全く別個であって、むしろラノベにはかなり読めるものも存在する……遺憾ながら(?)
電波男で有名なので多数の方がご存知かと。
以前この本を知人が持っているのを読んだ記憶があって、なんとなく懐かしさから借りてきたという感じである。
残念ながら内容は……内容に触れずば中傷、と知りつつ言うのだが、読むに値するものではない。
トイレットペーパー一巻き、ティッシュ一枚の方がまだ役に立つ。この本に1800円出すくらいなら中古の哲学書を17冊、ブックオフで買ってくる方が遥かに賢明な選択である。
せめて著者フィルタがなければ劣化「ソフィーの世界」くらいにはなれたろうに。といっても、著者のネームバリューで商品価値を作っているのでどうしようもない。


これで逆に興味が湧いてきたという人は図書館で立ち読みするのを勧める。うまく貴重な時間をどぶに捨てることができることだろう。哲学史の本なら他にある。断じて買うべき本ではない。「電波男の著者が放つ、オタクのバイブル!」(笑)

JAPAN UNDERGROUND

アスペクト社/内山英明
先程はストレートに本をくさしてしまったが、今度は良書である。
帯の煽り文句によれば「知られざる日本の地下世界 近未来の地下空間から廃墟まで61か所を、7年の歳月をかけ撮影したフォト・ルポルタージュ 超ハイテク研究施設。都市のライフライン、旧軍部の地下要塞、そして廃墟……地下ではSFの世界が現実のものである」ということで、地下の構造物の写真集となっている。
これはぜひ一読をお勧めしたい。


他、何冊か本を借りてきているが、紹介は上述の7冊にとどめたい。
本の紹介は基本的に自分の見解しか入れていないのでご了承のほど。
リク、荒らし、他コメント歓迎。