「清水竹灯り」@小城市 清水の滝


土曜日、いかがお過ごしでしたでしょうか。
佐賀は一応晴天でした。
黄砂で山が霞むような、そんなお天気で。
ずっと家に引きこもっているものですから、
親から写真を撮りに出てもいいよ、とのお達し。
といってもあまり行くあてが思い浮かびません。
時刻は午後三時で、ここ数日の空模様からするに、
間違いなく綺麗な夕焼けが見られる状況。
夕焼け撮るかな?うーむ……。
この時期だと紅葉が撮れるかな、
というタイミングです。


母曰く、小城市の何とか言う滝がいいよ、と。
ラジオで聞いたという。
調べてみると確かに紅葉Pointらしいのです。
落差75m、名水百選に選ばれており、西日本一の名瀑布とか言われているという……。
恥ずかしながら知りませんでした。
「九年庵」は人が多いから、同じ紅葉狩りなら小城市の清水の滝のほうがいいよ、と書かれてるところもあって、心が傾いてきました。
「九年庵」は神崎町にある有名な紅葉の名所で、毎年秋の紅葉と春の新緑の9日間だけ一般公開されます。
狭い庭園に一日1万人前後を動員する規模で、正直写真を撮りに行く気にはなりません。



※以下、「続きを読む」からどうぞ。ただし、非常に非常に長いです。



小城市の清水の滝に行く事に決定。
このときにはまだ、今日がこの滝の一年で一番人を集める日とは知る由もなかったのでした……。


唐津市から国道203号線を経由、
相知→厳木→多久→小城と40分程度で現着。
着いてみると何だか人が多い。
車が駐車場にずらり、細い道の脇にも駐車列が続いている。
紅葉見物か……多いな……と思いつつも車を停め、
三脚とS5Proを肩にかけて滝のほうへ。




清水地区は古きよき温泉街という風情。
小城温泉になるのかな。
山の中の湯治場街で、旅館がほとんどですね。
ただ、他の温泉街と違うのは、鯉の生簀がたくさんあること。
名水百選が流れ落ちる滝、というのを生かして鯉料理が名物なんですね。

清水鯉料理組合というのがあって、鯉料理屋さんが軒を並べています。



そして看板に気づく。
「清水竹灯り」と書いてある……。
ちなみに18日から23日までだそうで。
これか、人が多かったのは。
竹灯篭をたくさん使ってライトアップするようだ。
暗くなるまでまだ間があったので、適当に紅葉の写真など撮影。

もう終わりかけと思いきや、それなりに紅葉が。
日が落ちかけていく中を滝のほうへ降りていって……。
本当に驚きました。
人が多い(笑)
なんだこりゃー。


しかし7000本の竹灯篭は本当に壮観。
川沿いには釣り灯篭や、大きな灯篭組みなどが設けられ、
歩道に沿ってたくさんの灯篭が並びます。


人ごみをかきわけかきわけ、写真を撮る。


写真を撮りに来ている人の多いこと多いこと。
キヤノンのプロ機にLレンズにカーボン三脚、ばっちり決めて、
悪くないアングル(というかそこは通り道。正直邪魔ですよ)にいる人のレンズの先を見て思わず苦笑。
フードが逆向きにつけられたままで、保護フィルタだかPLフィルタだかがついている。
片方だけでも画質はがた落ち、ダブルコンボでは機材が泣きますよ……、とは内心の声にとどめておく。
「フードが逆向き、もしくはついていない」も「フィルタがついてる」も、
今日のようなシーンでは画質がひどく落ちるんです。
スローシャッターだろうにシャッターボタンでレリーズしてるのもなあ〜。
恐らく全カットブレてる。
通常はレリーズケーブルやリモコンを使う。
自分はお金が無いのでセルフタイマーを最短設定で使っている。


しかし実感した。
広角が必要だ(笑)
換算50mmのレンズでは長すぎる。
せめて35mmなら……。
でもなんとかそれなりに絵にしなくては。
金欠状態で標準レンズを最初に買ったのには十分に理由がある。
そうやって撮ったのが冒頭の写真。
悪くないと思うんですけれどどうでしょう。
色温度が合わないのは諦めちゃった。
でかいサイズで見るとすごいですよ。
リンクだけおいておきますね。
フルサイズで見る


なにやら放送が入る。
なんでもあずまやステージで、
サックスのソロコンサートがあるらしい。
行ってみよう、と舞台のほうへ行くが、人ごみはぎっしり動かず……。
それでも少しずつ流れに乗って、
たどりついたときにはもう終盤です(笑)
エリーゼのために」が聞こえてくる。
お仕事の癖で全身カットを押さえる。


こちらの奏者さんは深町宏さんとおっしゃいます。
HPはこちら→深町宏オフィシャルサイト
名手ですねー。
これだけのために遠方から人々が来るわけがわかりました。
凄い。
曲は「Moonlight Serenade」へ。
折りしも満月が会場周辺を照らしていました。
ちなみにコンサートがあるのは今日だけで、
だから凄い人出だったということらしい。
腕章をした若い子がD300sに標準ズームでイベント取材していた。
いいなあ、D300sならこのシーン、ISO3200が使える。
こっちは画質も限界、被写体ぶれも限界、キビしー!
もちろん張り合うようなことはしていません。
向こうはお仕事です。
こうなると望遠が欲しい。135mmでいいから…。



チャンスがあったのでアップも押さえる。
紅葉を撮りに来たんだか、イベントを取材にきたんだか(笑)
(取材と決まってれば取材用の撮り方したんですが、今日はブログ用)

続けて「夜間飛行」……だったかな?
これが最後の曲となる……。
ラジオの公開録音も並行されていて、観客を沸かせる深町さん。
余裕だなあ。


もちろんアンコール有り。
凄く嬉しい事に、この曲目が「主よ人の望みの喜びよ」
自分が一番好きな曲じゃないですか。
このときばかりはカメラは肩へ。
ゆっくり聞かせていただきました。
いやぁ〜、いいこともあるものだ。
ついたときにはタイミングが悪すぎたと思ったけれど、来てよかった。
終わると盛大な拍手。
自分もカメラ片手に拍手。
記念品贈呈で地元の日本酒が贈られるところまで写真を撮って帰路へ。
こういうイベントで一番大事なのは、さっさと車へ戻ること。
何千人出たのか知りませんが、まごまごしていると渋滞でにっちもさっちもいかなくなってしまう。
でも、帰り道にもすごく綺麗なライトアップ……。
そして並ぶ出店……。
食べ物の香り……。


ええ、心を鬼にして帰ってきましたとも。
満月とライトアップされたもみじを同じフレームに入れようと試みるものの、標準レンズでは無理。
やっぱり広角だな、広角。
駐車場まで向かう道のりにも、道端に竹筒がならんで非常に良い雰囲気。
並んだ筒からろうそくの炎がオレンジ色の空気をあふれ出させている。


帰り道息を呑んだのが夜景。
佐賀平野の天の川にも似た風景は、少し寂しいながら何か魅かれるものが。
ただ、渋滞の中だったので撮りませんでしたが。
同じく星も撮らなかったなぁ。
これは黄砂の影響が大きいです。
一雨降ったら少しは綺麗になるのじゃないかな。


しかし写真多すぎ。
文章長すぎ。
もし投げ出さずにここまで読んだ人がいれば――まずいないでしょうが――お疲れさまでした。