2枚のラストショット。


(この写真はタイトルとは関係がありません。唐津市内にて)


今日朝イチで親類の家へ行き、日がな一日壁紙を張り替えました。
そんなこととは全く聞いてませんでしたが。
まぁそんな日もありますね。
職安へは行けなかったけれども、図書館閉館には間に合いました。




2003年5月。

今から7年前になりますが、この記事をお読みの皆様は何をしておいでだったでしょうか。
9日、九州最南部、大隅半島から、小惑星探査機が打ち上げられました。
はやぶさ」です。


……月日は流れ、2010年11月16日……つまりこの記事を書いている当日、宇宙航空研究開発機構JAXA)は、
はやぶさ搭載の帰還カプセルにより持ち帰られた微粒子を小惑星イトカワ由来であると判断、発表しました。
ニュースなどでご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。
おそらく、もっとも大きな使命が果たされたと言えるのではないでしょうか。
そのニュースを見て――というのもちょうどよい機会ですし――
今日の記事につながっていくわけですが。


このはやぶさが「満身創痍」と評される苛酷な障害を越え、奇跡を重ねて7年間の旅を終えたのは今年の6月13日のことでした。
姿勢制御装置の故障、化学エンジンの燃料漏れによる全損、電池切れ、通信途絶、イオンエンジンの停止。
100点満点のミッション達成度評価で500点をたたき出したはやぶさ
はやぶさの帰還にまつわる2枚の「ラストショット」をご紹介したいと思います。
(普通ラストショットって1枚ですよね、単語の意味的に)


一枚目はこちらの写真です。
http://image.space.rakuten.co.jp/lg01/30/0000542230/40/img4335a340zik8zj.jpeg
(c)JAXA
はやぶさが最後に目にしたもの……それは地球の姿でした。
実に5年ぶりに起動したカメラ、撮影された写真の5枚目まではほとんど真っ暗。
最後の6枚目に地球が写っており、この画像を送信中、通信途絶。
(下半分がグレーになっているのはそのため)
それでもしっかり地球の姿のデータまでは送信しきっての、永遠の沈黙でした。
搭載カメラの開発に携わった十亀氏は「それはまるで涙で霞んだようにも見える」と、
関係者からのメッセージの最後に述べておられます。
スミアに霞んだ目に、7年ぶりに映る地球はきっと眩しかったことでしょう。


この写真の撮影に携わった方がいらっしゃいます。
橋本 樹明氏。
氏は、はやぶさがいかなる困難な状況の中、上載の写真を撮影したかを記しておられました。
こちらからどうぞ→ISAS | ラスト・チャンスの地球撮像 / トピックス


そして2枚目。
http://image1.shopserve.jp/bcc3434.lo.shopserve.jp/pic-labo/HAYABUSA_Shoot-Ry.jpg
(「宇宙の店」様HPより)
お察しの通り、これはカプセル放出/地球撮影後、大気圏突入して燃え尽きるはやぶさの姿です。
神聖というにふさわしい美しさ。
実はこの写真を撮影された山口大志さん、地元唐津の写真家さんだったりして。
写真家さんのHPはこちら→PHOTOGRAPHER Hiroshi Yamaguchi



7年の旅路。
最後の写真と、最期の写真。


素材を収集して動画を作成している方がいらっしゃったので、見つけた動画も紹介したいと思います。
例によって再生ウインドウ右下からコメント非表示推奨です。
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後継プロジェクトとなるはやぶさ2が計画されているのですが、こんなニュースも。
>「はやぶさ2(仮称)」の開発は、文部科学省が平成22年度予算で約17億円を概算要求したが、
>民主党への政権交代に伴う歳出見直しで5000万円に減額。さらに、昨年11月の事業仕分けで3000万円にまで縮減された。
Expired


人格なき「はやぶさ」がこれほど応えてくれたというのに、政府がこの仕打ち。
大気圏へ散ったはやぶさにどう顔向けが出来るのか知りたいですね。